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豪雨から暮らしを守るために知っておきたいこと

千葉県を襲った豪雨から考える、賃貸住宅での備えと災害後の対応


2026年8月13日、千葉県では広い範囲で非常に激しい雨が降り、

道路の冠水、住宅への浸水、土砂災害など、大きな被害が発生しました。


千葉市をはじめ、市川市、船橋市、松戸市、茂原市、佐倉市、東金市、習志野市、

柏市、市原市、八千代市、我孫子市、鎌ケ谷市、四街道市、八街市、印西市、白井市、

大網白里市など、県内の広い地域で被害や避難が発生しその後も対象地域は広がりました。


千葉県は、この大雨によって「多数の方が生命または身体に危害を受け、または受けるおそれが生じている」として、

県内の多くの市町に災害救助法を適用しています。

千葉市についても、市が直接災害救助を行う大きな災害となりました。


千葉市では今回の災害を「令和8年8月千葉豪雨」として、罹災証明書の発行、災害ごみの受け入れ、被災住
宅への支援などが行われています。
被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。


賃貸住宅を管理する立場でも、今回の豪雨後、浸水、漏水、排水、共用部分、設備などに関する対応が続い
ています。
そして改めて感じるのは、災害対応とは、「雨が降っている間だけのものではない」ということです。
むしろ雨が止んだ後から、建物や設備への被害が明らかになり、復旧への対応が始まります。


今回は千葉県で起きた今回の豪雨を教訓として、

アパートやマンションにお住まいの皆様に知っておいていただきたいことをまとめました。

まず守るべきなのは、建物や車ではなく人命です


急な豪雨になると、
「駐車場の車を移動した方がよいのではないか」
「ベランダの排水口を見ておきたい」
「1階に置いてある荷物を上へ運びたい」
と考えることがあります。

しかし、道路が冠水し始めてから屋外へ出ることは非常に危険です。
短時間の集中豪雨では、ほんの数十分で道路の状況が大きく変わることがあります。
普段歩いている道路でも、水がたまれば側溝やマンホールの位置が分からなくなります。

車であっても、水深によっては動けなくなる可能性があります。


建物も車も家財も大切です。
しかし、最優先しなければならないのは、
自分自身とご家族の安全です


自治体から避難情報が出た場合や、河川の増水、道路の冠水、崖や斜面の異変などを感じた場合には、

早めに安全な場所へ移動してください。


管理会社への連絡や建物の確認は、安全を確保した後で構いません。


千葉県は、場所によって水害の種類が違います


千葉県は非常に広く、地域によって災害リスクが異なります。
都市部では、短時間に大量の雨が降り排水能力を超えることで道路や住宅地に水があふれる

「内水氾濫」が発生することがあります。
河川周辺では、川の水位上昇による洪水があります。
房総地域などでは、地形によって土砂災害への注意が必要な場所もあります。
また、低地、坂の下、アンダーパス周辺などは、同じ市内でも水が集まりやすいことがあります。


そのため、
「千葉県だから危険」「マンションだから安全」と一括りに考えることはできません
自分が住んでいる場所について、自治体のハザードマップを一度確認しておくことが非常に重要です。

大雨のとき、トイレから「ゴボゴボ」と音がしたら


豪雨時には、
「トイレからゴボゴボという音がする」
「お風呂の排水が流れにくい」
「洗濯機の排水口から音がする」
ということがあります。

これは必ずしも室内の排水管が詰まったということではありません。
短時間に大量の雨水が下水へ流れ込み、下水管の中の空気が押し戻されることによって起こる場合があります。
このような症状が出ているときには、一度に大量の水を流さないことも大切です。

例えば、

・浴槽のお湯を一気に抜かない
・洗濯を少し待つ
・大量の水を使用する家事を一時的に控える

などです。

雨が弱まり、下水の状況が落ち着くことで改善する場合があります。

逆流が心配な場合には「水のう」という方法があります

トイレや浴室、洗濯機の排水口から水が上がってきそうな場合には、

「水のう」を使った簡易的な逆流防止方法があります。


大きめのビニール袋を二重にし、水を半分程度入れて空気を抜きしっかり口を縛ります。
それを排水口や便器の上に置き、水の重さで逆流を抑える方法です。
特別な防災用品がなくても家庭にあるもので作ることができます。
ただし、すでに大量の水が室内に入り始めている場合や、屋外が危険な状態になっている場合には、

こうした作業より避難を優先してください。

ベランダの排水口は、雨が降る前に確認する

マンションやアパートで意外に多いのが、ベランダの排水不良です。
普段は問題がなくても、短時間に大量の雨が降ると排水口にたまっている落ち葉や土、ゴミによって

水が流れなくなることがあります。
その結果、ベランダに水がたまり、サッシを越えて室内へ入ってしまうことがあります。

普段から、
・落ち葉
・植木鉢から流れた土
・ビニールやゴミ
・排水口周辺の泥


などを取り除いておくことが大切です。

ただし、大雨がすでに降っている最中にベランダへ出て作業するのは危険です。
天気予報で大雨が予想されている段階で確認しておく。
これが一番安全です。

浸水した電化製品は、すぐに電源を入れない

水が引いた後も注意が必要です。
エアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、コンセント、延長コードなど、

水に浸かった電気設備については、見た目が乾いているからといってすぐに電源を入れないでください。
内部に水分や泥が残っている場合があります。


通電することで、
・漏電
・感電
・ショート
・火災


につながる可能性があります。
「動くかどうか試してみよう」と自己判断せず、管理会社や電気業者などへ相談してください

冠水した駐車場では、車にも注意してください

今回のような豪雨では、平置き駐車場や地下駐車場、道路などが冠水する場合があります。
水が引いた後、車が一見問題なく見えてもすぐにエンジンをかけることは避けた方が安全です。
電気系統などへ水が入っている可能性があります。

車が浸水した場合には、販売店や整備工場、保険会社などへ相談してください。
また、豪雨の最中に「車だけでも高いところへ移動しよう」と外へ出ることも危険です。
冠水が始まる前であれば移動を検討できますが、水がたまり始めてからは人命を優先してください。

被害を受けたら、片付ける前に写真を残してください

浸水した室内を見ると、一刻も早く水を出して泥を拭き濡れた家具を捨てたくなると思います。
しかし、安全を確認できたらできるだけ片付けを始める前に写真を撮っておくことをおすすめします。


例えば、
・部屋全体
・水が入ってきた場所
・壁に残った水位の跡
・床
・壁紙
・家具
・家電
・玄関
・ベランダ
・駐車場


などです。

「水が床から何センチ程度まで来たのか」が分かるように撮影しておくことも大切です。
千葉市でも今回の豪雨について、被災した建物などに対する罹災証明書・被災証明書の発行を行っており、

こうした証明は保険金や融資などの手続きに必要となる場合があります。
管理会社への報告、保険会社への相談、自治体への申請など、後から被害状況を確認する際にも写真が役立ちます。

管理会社へは「どこで・何が・どの程度」を伝える

豪雨の後は、管理会社にも多くの問い合わせが集中します。
少しでも早く状況を判断するため、可能であれば、
「どこで、何が、どのくらい起きているのか」
を教えていただけると助かります。


例えば、
「1階の洋室に玄関側から水が入ってきています」
「天井の照明付近から水が落ちています」
「ベランダに水がたまり、サッシの下まで来ています」
「トイレの水位が上がっています」
「共用廊下が冠水しています」

などです。


安全な場所から撮影できる場合は、写真や短い動画があると設備業者や修繕業者を手配するときの判断材料になります。
ただし、
写真を撮るために危険な場所へ行く必要はありません。
写真より安全が優先です。

天井や壁から雨水が入ってきたら

豪雨時には、屋上、防水部分、外壁、窓周辺などから雨水が侵入することがあります。
天井や壁から水が落ちている場合、安全にできる範囲で家具や電化製品を移動し、

バケツやタオルなどで水を受けてください。


ただし、
・照明器具から水が出ている
・コンセント周辺が濡れている
・天井が大きく膨らんでいる
・焦げたような臭いがする
・電気設備から異音がする


場合には、無理に触らないようにしてください。

雨漏りそのものだけでなく、電気設備への影響を確認する必要があります。

災害ごみは通常のごみとは扱いが異なることがあります

浸水すると、畳、家具、家電、布団など、多くの物が一度に使用できなくなる場合があります。
このような災害によって発生したごみについて、自治体が通常の家庭ごみとは別に受け入れを行う場合があります。


実際に千葉市では、今回の豪雨を受け、災害ごみの仮置き場を設けています。
被害を受けた場合は、すぐにすべてを通常のごみとして処分するのではなく、

お住まいの市町村のホームページなどを確認してください。


自治体によって方法や対象となるものが異なるため、その時点の案内に従うことが大切です。

被災した住宅への支援制度が設けられる場合もあります

災害の規模によっては、住宅の復旧について公的な支援制度が設けられる場合があります。
千葉市では今回の豪雨を受け、一定の被害認定を受けた住宅について災害救助法に基づく「住宅の応急修理」制度の準備を進めています。
これは、日常生活に必要な最低限の部分を応急的に修理し、引き続きその住宅で生活できるようにするための制度です。


賃貸住宅の場合には、建物所有者、入居者、保険、自治体の制度など、それぞれの関係を整理する必要があります。

被害が大きい場合は、自己判断で工事を進める前にまず管理会社や自治体などへ相談することをおすすめします。

雨が止んでから分かる被害もあります

豪雨の対応は、雨が止んだところで終わるわけではありません。


例えば、
「翌日になって壁紙が浮いてきた」
「数日経って床から臭いがする」
「クローゼットの中にカビが出てきた」
「エアコンが動かなくなった」
「共用部分の照明が点かなくなった」

というように、時間が経ってから不具合が分かることがあります。
床下、壁の内部、電気設備など、普段見えない部分へ水が入っていることもあります。
そのため、豪雨の直後に異常がなくても、数日間は室内や設備の状態を注意して見てください。


気になる変化があれば、早めに管理会社へ伝えることが被害拡大の防止につながります。

普段からハザードマップを見ておく

今回の豪雨を経験して、改めて確認しておきたいのがハザードマップです。
賃貸住宅では、
「自分の所有している建物ではないから」
と、防災についてあまり意識していない方もいるかもしれません。


しかし、住んでいる場所の、
・洪水
・内水氾濫
・土砂災害
・高潮

などの危険性は、入居者様自身にも関係します。


自宅がどの程度浸水する可能性があるのか。
近くの川はどこにあるのか。

避難場所はどこなのか。
避難するときに通る道路は安全なのか。
一度確認しておくだけでも、実際に災害が起きたときの判断は大きく変わります。

日頃からできる小さな備え

豪雨に備えて、特別なことをすべて行う必要はありません。
まずは、


自宅周辺のハザードマップを見る
・避難場所を確認する
・家族との連絡方法を決める
・ベランダの排水口をきれいにする
・懐中電灯やモバイルバッテリーを準備する
・飲料水や最低限の食料を用意する
・火災保険・家財保険の内容を確認する
・管理会社の連絡先を登録する

といった小さな準備からで十分です。
大雨の予報が出たときに慌てて準備を始めるより、普段から少しずつ備えておくことが大切です。

建物を守る前に、暮らしている人を守る

管理会社にとって、建物を守り、被害をできるだけ早く復旧させることは大切な仕事です。
しかし、災害時には、それ以上に大切なことがあります。


その建物で暮らしている方が無事であることです。


管理会社への連絡をするために危険な場所へ行く必要はありません。
建物を確認するために冠水した道路を歩く必要もありません。


まず避難する。
安全を確保する。
雨が収まってから状況を確認する。
できれば写真を残す。
そして管理会社へ連絡する。


豪雨は、いつどこで起きるか分かりません。

今回、千葉県の広い地域で被害が発生したように、これまで大きな水害を経験していない地域でも被害を受ける可能性があります。
災害そのものをなくすことはできません。
しかし、

事前に知っていること。
少しだけ準備しておくこと。
危険を感じたら早く行動すること。
そして災害後に正しく対応すること。


それによって守れる命や暮らしがあります。
今回の豪雨を一時的な出来事として終わらせるのではなく、

これからの備えにつなげていくことが大切だと考えています。

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