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真夏にエアコンが故障したら

― 修理が終わるまでの暮らしも考える賃貸管理 ―

暑い夏に増える設備トラブルの一つが、エアコンの故障です。

「冷たい風が出ない」
「突然動かなくなった」
「室内機から水が漏れている」
「電源を入れてもすぐに止まってしまう」

このような症状は、特に気温が高くなる時期に集中します。

エアコンは年間を通して使用する設備ですが、

真夏の故障はほかの設備トラブルとは少し事情が異なります。

近年の厳しい暑さの中では、エアコンが使えないことは単に「不便である」というだけではありません。
入居者様の体調や安全にも関わる問題として、できるだけ早く対応する必要があります。

熱中症は室内でも起こります

熱中症というと、炎天下での運動や屋外作業を思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし、風通しの悪い部屋や日当たりの強い部屋では室内でも温度が大きく上昇します。

夜になっても建物に熱が残り、室温が十分に下がらないこともあります。

特に注意が必要なのは、

高齢の方

乳幼児や小さなお子様

持病のある方
妊娠中の方

在宅時間が長い方

最上階や西日の強い部屋にお住まいの方

などです。

暑さを我慢しているうちに体調が悪化することもあるため、

真夏のエアコン故障は通常よりも優先度の高い設備トラブルとして考えなければなりません。

大切なのは「いつ直るか」だけではありません


エアコンが故障したとき、管理会社は修理業者やメーカーへ連絡し点検や修理の手配を行います。

しかし、夏場は修理依頼が集中します。
部品の取り寄せが必要になる場合や、古い機種で修理ができず新しいエアコンへの交換が必要になる場合
もあります。

そのため、連絡をいただいた当日に完全復旧できるとは限りません。

このようなときに大切なのは、

「修理が終わるまで、入居者様にどう過ごしていただくか」

まで考えることです。

業者を手配したから対応完了ではなく、

復旧までの間の生活についても気を配ることが夏場の賃貸管理には求められます。

冷風機や扇風機を一時的に貸し出す

修理や交換まで時間がかかる場合には、冷風機や扇風機を一時的に貸し出す方法があります。

もちろん、冷風機だけで通常のエアコンとまったく同じ環境をつくることはできません。

それでも風を送ったり身体の近くを部分的に冷やしたりすることで、

何もない状態より暑さを和らげることができます。

特に就寝時や修理を待つ間の一時的な対策として、

こうした機器を用意しておくことは入居者様の負担軽減につながります。

ただし、冷風機の種類によっては室内に熱や湿気がこもることがあります。

窓や排熱ダクトを使用するタイプなど、それぞれの機器に合った使い方を説明することも必要です。

まず確認したい簡単なポイント

「エアコンが冷えない」というご連絡の中には、

機械そのものの故障ではなく、設定や周辺環境が原因になっているケースもあります。

安全に確認できる範囲で、次のような点を確認すると早く解決できることがあります。

運転モードを確認する


「冷房」ではなく、「送風」や「除湿」などになっていないかを確認します。

設定温度が室温とほとんど変わらない場合も、冷たい風が出にくいことがあります。

リモコンの電池を交換する

リモコンの画面が薄い場合や操作しても本体が反応しない場合は、

電池交換で改善することがあります。

・ブレーカーを確認する


エアコン専用のブレーカーが落ちている場合があります。
ただし、ブレーカーを上げてもすぐに落ちる場合や焦げたような臭いがする場合は、

無理に操作せず管理会社へ連絡してください。

・フィルターの状態を確認する


フィルターにほこりが多く付着していると、風量が弱くなり冷房の効きが悪くなることがあります。

入居者様が安全に取り外せる範囲で清掃すると、改善する場合があります。

・室外機の周囲を確認する


室外機の前に荷物や植木鉢などが置かれていると、

熱をうまく逃がせず冷房能力が低下することがあります。

吹き出し口の前には物を置かず、空気が流れるようにしておくことが大切です。

ただし、室外機を分解したり無理に動かしたりすることは危険です。

簡単な確認で改善しない場合は、専門業者による点検が必要です。

水漏れが起きたときの対応
夏場には、「エアコンから水が漏れてきた」という相談も増えます。

原因としては、排水ホースの詰まり、フィルターの汚れ、室内機の結露、排水経路の不具合などが考えられます。

水漏れが起きた場合は、まずエアコンの運転を止め水が床や家具へ広がらないよう、

タオルや容器で受け止めます。

電源部分やコンセント付近まで水が流れている場合は、

感電や漏電の危険があるため無理に触らず管理会社へ連絡することが大切です。

また、床材や壁紙まで水が広がると建物にも被害が及ぶことがあります。

少量だからと様子を見続けるのではなく、早めに状況を伝えていただくことで被害を小さくできる可能性があります。

修理か交換かを早く判断する


エアコンは、修理すれば必ず長く使えるとは限りません。

設置から長い年数が経過している機種では、部品の供給が終了していたり、

一度修理しても別の部分が故障したりする可能性があります。

その場合、修理業者の訪問を待ち部品を確認してから最終的に交換となると、復旧までにさらに時間が
かかります。

真夏の故障では、費用だけで判断するのではなく

製造から何年経過しているか
修理用部品が残っているか
修理後も安心して使用できるか
修理と交換で復旧日がどの程度違うか
再び故障する可能性が高くないか


を確認し、修理と交換のどちらが適切なのかを早めに判断する必要があります。

何でも交換すればよいわけではありませんが、

古い機種を何度も修理するより交換した方が結果的に早く、安全に費用を抑えられることもあります。

連絡がない時間をつくらない
エアコンが使えない入居者様にとって、特に不安なのは、現在の状況が分からないことです。

「業者へ依頼しています」とだけ伝えられても、

いつ連絡が来るのか。
いつ点検するのか。
修理なのか交換なのか。
それまでどう過ごせばよいのか。

ということが分からなければ、不安は解消されません。

すぐに修理ができない場合でも、

業者へ連絡したこと
訪問予定日
部品の確認状況
交換になる可能性
次に連絡する予定


をこまめに伝えることで、入居者様の安心感は変わります。

修理そのものの速さだけでなく、途中経過をきちんと共有することも管理会社の大切な仕事です。

状況によっては、一時的な避難も必要です
冷風機や扇風機があっても、室温が高く、室内で安全に過ごすことが難しい場合があります。

そのようなときは無理をして部屋にとどまらず、日中だけでも冷房の効いた場所へ移動することが大切で
す。

家族や親族の住まい、公共施設、商業施設など涼しい場所で過ごすことも一つの方法です。

体調に異変を感じた場合は、設備の修理を待つことよりも身体を守ることを優先しなければなりません。

めまい、頭痛、吐き気、強いだるさ、意識がもうろうとするなどの症状がある場合は、涼しい場所へ移動し
て身体を冷やし必要に応じて救急車を呼ぶなど、早めに対応してください。


入居前や夏前の確認も大切です
エアコントラブルへの最も良い対策は、故障してから急いで対応することだけではありません。

入居前や本格的に暑くなる前に、

冷たい風が出るか
異音や異臭がないか
水漏れしていないか

リモコンが正常に動くか
フィルターが汚れていないか
室外機の周囲がふさがれていないか


を確認しておくことで、真夏の故障を減らせる可能性があります。

長期間使用している機種については、故障してから交換を考えるのではなく

繁忙期を迎える前に交換時期を検討することも大切です。

真夏はエアコン本体の在庫が少なくなったり、工事業者の予定が埋まったりすることがあります。

早めの点検と計画的な交換は、入居者様の安心だけでなくオーナー様の急な出費やトラブルを減らすことにもつながります。

エアコンの先行配管にも注意が必要です
一部のマンションでは、エアコンの配管が壁や天井の中を通る「先行配管」が使用されています。

この場合、一般的なエアコンであれば何でも取り付けられるとは限りません。

機種や機能によっては設置できなかったり、交換工事に通常より時間や費用がかかったりすることがあります。

そのため、故障してから機種を探すのではなく、

現在設置されているエアコンの型番や配管方式をあらかじめ確認しておくと、

交換時の判断を早めることができます。

入居者様の安全とオーナー様の資産を守る
夏場のエアコン故障に早く対応することは、入居者様の快適さと安全を守るために欠かせません。

同時に、オーナー様の賃貸経営を守ることにもつながります。

対応が遅れれば入居者様の不満が大きくなり、

退去や管理への不信につながる可能性があります。

水漏れを放置すれば、床や壁、下階の住戸まで被害が広がることもあります。

反対に早い初動と丁寧な連絡、復旧までの応急対応があれば、

トラブルが起きたときにも安心して暮らしていただくことができます。

エアコンの故障は、どの物件でも起こる可能性があります。

大切なのは、故障を完全になくすことではなく、故障したときに、

入居者様の身体を守ること
修理が終わるまでの生活を支えること
状況を分かりやすく伝えること

まで考えて対応することです。

設備だけを見るのではなく、その設備を使って生活している方を見る。

それが、暑い夏に求められる賃貸管理だと考えています。

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